数年前、雪道でジョギングをしていて、足を滑らせて転倒した際、地面にきつく手を着いてから右肩の動きが悪くなった。という方がご来院されました。
カウンセリングによると、右腕を横から上げていく(外転する)時に『90度の地点にくると右の肩口につまり感がでる』とのことでした。
関節のつまり感という症状は医学的には、インピンジメント症候群と呼ばれます。
インピンジメントとは『衝突』とか『ぶつかる』という意味合いがあります。
関節(骨と骨が連結する所)が正しい動きをしていれば、インピンジメントもなく、正常な関節運動ができますが、ズレや捻じれなどで歪みが生じた場合、関節は異常な運動パターンをおこなってしまいインピンジメントの原因となります。
また、肩の構造は4つの関節によって形成されますが、肩を上げるという動作のうち初動期(0度~60度)や中間期(60度~120度)や終動期(120度~180度)によって、主に働く関節が異なります。
陸上のリレーのように、バトンを繋ぎながらゴールに向かっていくのと似ています。
肩を形成する4つの関節をすべて検査したところ、この方の場合、肩口にある肩鎖関節と呼ばれる肩甲骨と鎖骨を連結する部分に問題があるのがわかりました。
視診
明らかに左の肩鎖関節にくらべて、右の肩鎖関節にデッパリが見えます。これは関節にズレが生じているサインとなります。
触診
右の肩鎖関節を触りながら、肩を横から上げていってもらうと、ちょうどその辺りに違和感・つまり感がでるとのことでした。また鎖骨に付着する大胸筋の緊張もかなりあるようでした。
バイオメカニクス
肩鎖関節という関節は、肩を上げていく際において90度以上(特に最終域)に最もよく働く関節になります。またこの動きをする時に、鎖骨は上方に滑り運動を行いながら、かつ後方への回旋(後ろ側に捻じれる)運動をするのが正常ですが、この方の場合は鎖骨がうまく動いていないのがわかりました。
この方のケースでは、肩鎖関節に重きを置いて施術をおこないました。
はじめの数回は術後はよくなるものの、数日するとまた動きが悪くなる。という状況でしたが、4回目のご来院時には随分と右肩の可動域も広がり、動きもスムーズとのことでした。
普段はドイツの大学に在学されており、夏休みに京都に帰国された際に、ご利用いただきました。もう少し安定化を図るための施術ができれば良かったのですが、ドイツへの出発もあり、ホームエクササイズをお伝えし終了となりました。
また半年後の3月頃に帰国されるようなので『今度はチョコレートのお土産を買ってます!』というお言葉をいただけて嬉しかったです。
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